「仮想通貨」という言葉をよく聞きますが、それが実際にどういうものなのかを知らない方も多いと思います。
今回は仮想通貨とはなんなのか、その仕組みについて解説します。
仮想通貨の定義
日本銀行によると、仮想通貨の定義は次のようになっています。
「暗号資産(仮想通貨)」とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値であり、「資金決済に関する法律」において、次の性質をもつものと定義されています。
(1)不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
日本銀行『質問暗号資産(仮想通貨)とは何ですか?』(https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/money/c27.htm) 2023年7月29日
(2)電子的に記録され、移転できる
(3)法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない
つまりおおざっぱに言うと、実物をもたず(電子データのみ)、国などによって管理されていない通貨の事を指します。
仮想通貨の仕組み
仮想通貨のすごさはP2Pネットワークとブロックチェーン技術が大きな役割を果たしています。
P2Pネットワーク
P2Pはネットワーク上で端末が通信する方式の一つです。ここでよくある通信方式(中央集権型)との比較を見てみましょう。
中央集権型では利用者(クライアント)の要求に応じてサーバーが答える形で成り立っています。
一方、P2P方式では参加者同士でデータのやり取りを相互に行っています。
中央集権型ではデータが1つのサーバーに保管されるのに対して、P2P方式ではネットワーク参加者それぞれにデータが保管されます。
仮想通貨取引はP2Pネットワークで行われます。P2Pのおかげでユーザーが増えてもサーバーがダウンすることなく取引や送金を問題なく行えています。
ブロックチェーン
ブロックチェーンは、なんらかの取引データを「ブロック」として分割し、時系列順に鎖(チェーン)のようにつないでいく技術のことです。
チェーンはブロック同士をつなげるための特殊なルールを意味します。
また、ブロックを作ることをマイニングと呼びますが、これが膨大な計算量で大変なものとなっています。。
では、ある悪い人が一部の取引データを改ざんして大金を得ようとしていると仮定しましょう。
すると、チェーンの整合性を保つため、改ざんする取引データが存在するブロックだけでなく、以降のブロックもすべて書き換えなければなりません。
しかしそれは計算量的に不可能なので、これが仮想通貨の安全性を保証しています。
仮想通貨の由来と発展
仮想通貨は、2008年10月31日に「サトシ・ナカモト」という名義の謎の人物がインターネット上に公開したビットコインについての論文が起源です。
そして2010年5月、あるプログラマーがフォーラムで「1万ビットコインでピザ2枚を購入したい」という投稿をしました。
その投稿を見たピザ屋が要求に応じ、ビットコインとピザを交換する取引が成立しました。
このときはじめてビットコインが通貨としての価値を持ちました。
ここから米メディアに大きく取り上げられることなどによって、どんどん成長していきました。
ちなみに2010年のピザとの交換時のレートが1ビットコイン=約2.2円です。
そして、2023年7月の時点でのレートは1ビットコイン=約400万円です。
ビットコインの成長ぶりが伺えますね!
まとめ
今回は仮想通貨についてまとめました。別の記事で仮想通貨のメリット・デメリットについてまとめたので、気になった方はそちらもチェックしてみてください。
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