近頃YCC修正について色々と話題になっていますが、「YCCって結局何?」と実態をよくつかめずにいる方も多いのではないでしょうか?
今回はYCCとは何かを簡単に分かりやすく解説していきます。
YCCとは
YCC(Yield Curve Control, イールドカーブコントロール)は、中央銀行が国債の利回り(Yield)を、買い入れ操作によってコントロールする金融政策のことを指します。
これを理解するには、まずはイールドカーブという概念に触れる必要があります。
イールドカーブとは、利回りと償還にかかる期間(1年債なら1年、10年債なら10年)の相関性を表したグラフのことです。残存期間に対応した金利をプロットし、それらをつないで曲線にしたもののことを言います。
出典:岡三オンライン「株式・証券関連用語集」
通常は、期間が長いほど利回りが高くなります。市場に任せてこのイールドカーブが上方向に移動してしまうと、世の中の金利が高くなり困ってしまいます。
そこで日銀は、長期金利(10年債)の利回りがゼロ%程度になるよう誘導しているのです。
誘導水準に達するまで日銀は大量に国債を買い入れます。
これによりイールドカーブ全体を調整しよう、というのが日銀の狙いです。
YCCの効果・副作用
YCCには次のような効果(メリット)が期待できます。
・物価の安定
・経済の活性化
また、次のような副作用(デメリット)が挙げられます。
・市場との歪み、
・インフレの加速
日銀のYCC政策
日銀は長期金利(10年債)の利回りがゼロ%程度になるよう調整を行っていましたが、ある程度の変動は許容していました。
そして2023年7月28日、0%からの許容幅を±0.5%から±1.0%に引き上げました。
これは未来を見据えた措置であると考えることができます。現状では±0.5%でも問題ありませんが、2%物価目標(物価を前年比2%上げる目標)が達成されると将来的に金利が上がっていくことになります。
そうした中で無理に利回りを調整すると市場機能の悪化が生じます。これを日銀は恐れている、というわけです。
日銀はこれからどのような措置をとっていくのか、その動きに注目したいところです。
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